「ハイテク」の神ジョブズは、家では「ローテク」だった!意外にも我が子にiPadを使わせなかったその理由とは?
iPhoneの生みの親と言えば、言わずと知れたスティーブ・ジョブズですよね。
しかし、「子供の親」のスティーブ・ジョブズは、極めて「ローテク」だったそうなんです。
これはNewYork Timesが9月10日付で掲載した記事によるもの。
記事では、ジャーナリストのニック・ビルトンが、2010年後半にジョブズにインタビューした時のことを語っています。
2010年と言えば初代iPadが発表された年。
革新的なタブレットに世界が湧いていたなか、ジョブズに「あなたのお子さんもiPadに夢中でしょう?」と聞いてみると、意外な答えが帰ってきました。
「子どもたちはまだ(iPad)を使ったことがありません。私は家では子どもたちのハイテク機器利用を制限しているんです("They haven't used it," he told me. "We limit how much technology our kids use at home.")」
記事中ではニック氏が「ジョブズの家といえばハイテク天国で、壁はiPadのタイルになっていたり、お客さんにチョコ配るみたいにiPodを配ると思ってたのに」とビックリしています。
また、伝記「スティーブ・ジョブズ」の著者で、一時期ジョブズの家に滞在していたウォルター・アイザックソンによると、ジョブズはスクリーンを見ている時間より、家族と面と向かって会話している時間を優先していたとのこと。
「毎晩、スティーブはキッチンの大きくて長いテーブルで夕食を取り、本や歴史やその他多くのことについて話し合っていました。誰もiPadやコンピュータを使っておらず、子どもたちはデバイス機器にハマってないようでした」
と語っています。
NewYork Timesでは、他にもWIREDの元編集長クリス・アンダーソンや、Twitterの元CEOエヴァン?ウィリアムズも、自分の子どもたちにハイテク機器の利用を制限していると伝えています。
「ジョブズもそうだったし!」と禁止する前に......
日本でも、幼児の育児をスマホに任せっきりにする「スマホ育児」や、中高生のLINEいじめなど、子供のネット利用に関するニュースが報じられることがあります。
「夜9時以降はスマホ禁止」など、ルールを定めた小学校も話題になりましたね。
だからと言って、「ほら!ジョブズも子どもに使わせてなかったし、全部禁止!」と一気に畳み掛けるのも、ちょっと極端な気がします。
大事なのは「スマホを使わない」ではなくて、「時間をどう使うか」ですよね。
ジョブスはただ「禁止!」と叫んだのではなく、読書や団らんなど「デジタル機器の画面だけでは得られない経験」を優先させたわけです。
子どもに禁止と言うだけじゃなくて、ちゃんと自分もその「経験」に関わっているんですよね。
子どものスマホ利用による悪影響を声高に叫ぶだけでなく、じゃぁスマホの代わりにしたい経験は何か、大人ができることもちゃんと考えないといけません。
あんなに多忙だったジョブズが、毎晩家のテーブルで夕食を食べていた、というところをお手本にすべきじゃないかなぁ、と思うのでした。
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