ユーザーにとって不便な2年縛り、最高裁は"条項は有効"との判断を下す
本日、朝日新聞は携帯キャリア大手がユーザーと結ぶ2年縛りの契約について、最高裁が「条項は有効である」との判断を下したことを報じました。
大手携帯キャリアは一様に、端末の割引を条件として、2年契約の条項をユーザーと結んでいますが、昨今の総務省の検討会をはじめ、以前から本条項についてはしばしば議論の対象となってきました。
一審は判決が分かれた
今回の裁判の見どころは、ずばり携帯キャリアがユーザーと結ぶ2年契約について、ユーザーが途中解約を申し出た際に、契約満了月意外の解約の場合9,975円の違約金を徴収することが妥当か否か、という点にあります。
今回この条項に異を唱えたのは、弁護士らでつくるNPO法人「京都消費者契約ネットワーク」で、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクに対して、条項の差し止めを唱えて各キャリアに対し裁判を起こしました。
消費者契約法において、「事業者が被る平均的損害を上回る額は無効」、つまり事業者が違約金として取れる金額は、契約の中で生じた平均的損害額を超えてはならない、と定められているのですが、割引額などの条件や、契約期間はユーザーによって異なることから、非常に難しい判断となり、起こしていた3つの訴訟のうち、京都地裁における2つの一審判決では「条項は有効」との判断、1つは「事業者に生じる損害を上回る額となり、無効」との判断が下り、違約金として支払った額をユーザーに変換することが求められていました。
二審、最高裁では、いずれも「条項は合理的」との判断
これに対して、二審の大阪高裁での判断、今回の最高裁での判断は、すべて「解約金は合理的な額で、条項は有効」であるとの判断になりました。
ユーザーにとって、端末、通信費を含めたランニングコストを安く抑えるには、大手キャリアの提供する割引プランへの加入が不可欠です。携帯キャリアとしてもユーザーにとって魅力のある割引競争をしているのは納得できるので、個人の意見としては、たしかに残りの機種代金の割賦支払いについてはもちろんユーザー負担で問題無いと思いますし、2年契約の縛りの中での途中解約に対して違約金の支払いがあるのも問題は無いと思います。
ただし問題があるのは、"一様な"違約金ではないでしょうか?1年で契約を破棄しても、1ヶ月で契約を破棄しても同額の違約金というのはなにか釈然としない気がします。せめてこの部分を段階的にしていただけると、非常に納得ができるようになると思うのですが。
現在、総務省の検討会でもこの部分については確固とした結論が出ていませんので、もう少し対応には時間がかかりそうですが、格安SIMの参入も続きますので、早々に整備して欲しいというのがユーザー(消費者)としての声ですね。
参照元:朝日新聞
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