【前編】King Japan代表 枝廣憲氏インタビュー。Kingがかける日本への想いと日本独自の広告戦略は?
『キャンディークラッシュ』や『ファームヒーロー』に代表されるスマホのカジュアルゲームの分野で世界No.1と言って過言ではないヒットメーカーの"King"。今回、その日本法人の代表である枝廣憲氏から話を聞いてきたぞ。前編ではKingの成り立ちと日本独自の広告戦略をお届けする。
Kingの成り立ちと日本法人立ち上げの経緯
──Kingと言えば元々はイギリスの会社なのですよね?
枝廣憲氏(以下、枝廣) Kingはイギリスの会社と捉えられがちなのですがヨーロッパの各地に拠点があります。便宜上イギリスを本社にしておりますが、僕らの中で本国はヨーロッパだと思ってます。例えば、キャンディークラッシュの発祥の地はスウェーデンだったりするんですよね。
──ヨーロッパ全体が本拠地というと僕ら日本人の感覚からするとかなり大きいなという印象を感じますね。
枝廣 実は僕らが思っているよりヨーロッパの国々は近いのです。
僕もKingに勤めてびっくりしたのですが、日本で言えば、東京から大阪へ、さらに、北海道へと出張するような感覚で、イギリス、スペイン、スウェーデンと飛び回るのがKingでは日常的な光景だったりするんです。フライト時間もそんな長くないですしね。
──そんな中で日本法人のKing Japanを別途立ち上げた理由はなぜなのでしょうか?
枝廣 日本のモバイルコンテンツマーケットにKingが主とするカジュアルコンテンツを広めるためには日本法人の立ち上げが必要だという想いの元に立ち上げさせていただきました。
──それは、世界から見て日本には独特の文化があるというのも理由なのでしょうか?
枝廣 それは紛れもない事実ですね。例えばApp Storeのランキングを見比べても日本と海外でまったく違う。日本のモバイルコンテンツは独自のスタイルで進化しているので、日本に合わせたコンテンツのスタイルであったり、マーケティングのスタイルがある。そんな中でいち早く日本に合わせたやり方ができればと考えました。
──東京ゲームショウでもイギリスからCMO(マーケティング最高責任者)Alex Dale(アレックス・デール)氏が来日していましたね。日本市場に力を入れているという印象を感じました。
枝廣 ゲームショウは特殊な場ということもあるのですが、日本のゲームメディアであったり、ユーザーの皆さまが集まっている場なので日本に真摯に向かい合っているというのをお見せしたいなと思って、本社のマーティングのトップに来てもらいお話をさせてもらいました。
日本法人独特の戦略
──マーケティングの戦略は海外とは違う進め方なのですか?
枝廣 同じゲームでも日本ではスタイルを変えていますね。言語が特殊でありますし、表現の幅は丁寧にしないといけない。日本のユーザーさんの視線はよくも悪くも厳しいのでコンテンツクオリティにもし難があったりしたらすぐに対応しないといけないのでカスタマーサポートも重視しています。
──翻訳したゲームはローカライズした際に日本語がめちゃくちゃだったりすることも少なくないですよね。
枝廣 キャンディークラッシュも最初の翻訳は苦労したんですよ。
──最初は日本法人がなかったので本国で全て翻訳をされたのですか?
枝廣 現地パートナーと組ませてもらったのですがなかなか難しい部分もあり、そこを変えなくてはと思ったのも日本法人を立ち上げた理由の一つですね。
──日本のカスタマーサポートは全て日本でやっているのですか?
枝廣 ヨーロッパで一元化してやっていますね。日本だけで対応しているとラインが散らかってしまって問題を把握しきれない可能性もあるので一元化しています。
──Kingのゲーム体験に満足している人も多そうですね
枝廣 ありがたいことに叱咤激励の言葉を含めていろんな声をいただくので、今後もお問い合わせには真摯に対応していきたいと考えています。
──海外と日本での効果的な広告戦略の違いがあったりするのでしょうか?
枝廣 広告は正解がないと思います。なので、僕らの中でこういった人たちにお届けしたいなと考えてメディアやCMに起用するタレントさんを選んでいますね。例えば、日本では海外よりテレビ広告の比重を多くしています。海外と比べると日本ではテレビを見る人も多く、トレンドにも敏感な国民性なので、そういう意味では特殊なやり方をしています。
──テレビCMって効果が見えづらいということもありますがキャンディークラッシュ、ファームヒーロー、バブルウィッチとテレビCMを放映していますね。ある一定の効果があると見込んでやってるのですよね?
枝廣 質問がマニアックですね(笑)。テレビは単純に効果を見ようとすると一番難しいメディアかもしれません。ですが、日本の皆さんにキャンディークラッシュを遊んでいただいているのを見るとテレビCMを通してKingの想いを届けることができたとは思っています。
──バブルウィッチのCMが放映されていますがタレントさんを使わなかった理由は何ですか?
枝廣 とてもクオリティの高いCGができたのでお届けさせていただきました。これならバブルウィッチの面白さを届けられるんじゃないかと考えたのです。
──キャンディークラッシュのCMも話題になりましたが岡田准一さんを起用した理由は?
枝廣 もともとKingのコンテンツを日本のスタンダードにしたいと思っていたところ、岡田さんが「永遠のゼロ」の主演をされて、その作品がイタリアの映画祭でグランプリを受賞したり、大河ドラマの主演をされて日本の王道を歩いていらっしゃる方となりましたよね。Kingもカジュアルゲームが伸びている中でキャンディークラッシュを王道にしたいと考え、岡田さんを採用させていただきました。
ビックスタジオだけどスモールな開発体制
──カジュアルゲーム以外に挑戦する気はあるのでしょうか?
枝廣 カジュアルゲームが弊社の基盤となっています。私たちは今後も素晴らしいカジュアルゲームを提供し続ける予定です。Kingのコンテンツは190を超えてるのですが、それなりに良いものがあって、先日、配信したペットレスキューもユーザーの方から高評価を頂いています。僕は今度はどのコンテンツを日本で配信するかを選定するということをやっていますね。
──コンテンツが190って非常に多いですね。大きな会社ですから世に出せなかったゲームも多そうですね。
枝廣 Kingの社員は900人と多いのですが、約10人くらいのスモールチームが数多くあるんですよね。作っては改善したり、別のコンテンツを立ち上げたりしているのです。
──スタジオ間の競争も激しそうです。
枝廣 競争しているというよりは一緒に楽しみながらやっています。いろんな案が出てきて楽しいですよ。ゲームで遊んで良い要素を抽出するのも僕らの一つの仕事なので、ゲームで遊びながらお互いにインスパイアをもらったりしていますね。キッチンに卓球場だったり、テレビゲームのマシンがあったりもしますしね。
──確かにKingのゲームのコンセプトは似ていますね。
枝廣 Kingには一つの大きな標語があるのですが、『Bite size brilliance、一口大の輝き』という一口齧って美味しいという意味合いですね。それはどういうことかと言うとある時にゲームをやりたいなって思ったときにさっと遊べて、自分の都合ですぐ止められるような設計にしていますね。ユーザーの皆さまの時間や場所、お財布事情も含めて、ストレスなく遊んでもらうことを重視しています。また、マルチデバイスに重点をおいて、スマートフォン、ノートパソコン、デスクトップ、タブレットと一つのアカウントでお届けできるようにしています。
──私の知人も全然ゲームしないんですけどキャンディークラッシュだけはずっとやり続けている人がいますね。毎日ログインしないとだめだと日課のようにルーレットを回して楽しんでます。そういった経験があるとゲームにガチガチじゃない人よりエントリーの人も多いのかなと思いますがそこはどうでしょうか?
枝廣 そういった話を聞くのが一番嬉しいですね。もちろん、エントリーに使ってくれている人も少なくないと思いますよ。スマートフォンがゲーム機になりつつあるので初めてゲーム機を持ったという意味もあると思います。そんな中でキャンディークラッシュを選んでくれると本当に嬉しいですね。
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【中編】King日本法人代表 枝廣憲氏インタビュー!キャンディークラッシュ攻略のコツは協力プレイ!?
【後編】King日本法人代表 枝廣憲氏インタビュー!「国ではなく地球で流行っているゲーム」に
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